桃の花は薔薇科に属するのです
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三成が忍城攻めを失敗した。
其の報は小田原城を包囲していた豊臣軍へと、瞬く間に浸透することとなる。清正も陣中に在って、耳の痛くなるような三成に対する痛烈な批判を聴くこととなった。
それから、然程日を置かずして、三成が小田原へ到着した。秀吉との謁見で、さてどのような沙汰が下されるか。諸侯が浮き足立つ中、清正も同様に心中穏やかで入られなかった。
多くの目が集まる中、三成はいつもと変らぬ泰然とした様で、秀吉の前へ進み出る。
「さて、申し開きはあるか?」
秀吉の静かな声が響き渡る。三成は平伏するわけでもなく、唯じっと秀吉を見つめていた。其れは失態に恥じている姿勢ではない。
ふと、三成が口元を緩ませた。
「私はこの戦で多くを得ました」
珍しい、三成にしては本当に珍しい心からの笑みだった。それに秀吉も気づいたのであろう、僅かに目を瞬かせるとそのまま静かに三成の先を促した。
其の報は小田原城を包囲していた豊臣軍へと、瞬く間に浸透することとなる。清正も陣中に在って、耳の痛くなるような三成に対する痛烈な批判を聴くこととなった。
それから、然程日を置かずして、三成が小田原へ到着した。秀吉との謁見で、さてどのような沙汰が下されるか。諸侯が浮き足立つ中、清正も同様に心中穏やかで入られなかった。
多くの目が集まる中、三成はいつもと変らぬ泰然とした様で、秀吉の前へ進み出る。
「さて、申し開きはあるか?」
秀吉の静かな声が響き渡る。三成は平伏するわけでもなく、唯じっと秀吉を見つめていた。其れは失態に恥じている姿勢ではない。
ふと、三成が口元を緩ませた。
「私はこの戦で多くを得ました」
珍しい、三成にしては本当に珍しい心からの笑みだった。それに秀吉も気づいたのであろう、僅かに目を瞬かせるとそのまま静かに三成の先を促した。
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