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桃の花は薔薇科に属するのです
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ナリ♀ナリが日々楽しすぎて如何しようかと。
とりあえず、本日は元就で刑部&三成をボコってみた@究極青ルート
刑部は開始10秒、三成は会話終了から30秒ぐらいで撃破(笑)
ちなみに@究極モグラも元就様なら10秒あれば楽に破壊できる。
壁が強すぎて、日々吹きますww

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― 中の人と外の人の話 ―

「裏切りは許さない」
「貴様もしつこい男よ。繰り返せねば、気が済まぬのか」
事後の気だるい雰囲気に似合わぬ、殺伐な会話が広がる。そのことに元就は眉を顰めるが、彼の好きにさせている。
「私は裏切りを最も憎む」
「聞き飽いた」
一言で元就が斬り捨てることに、三成は気に止めないらしい。
「私は……貴様を信じたことはない」
しかし、一応は彼も会話をする気があるらしい。おざなりにしか返事のない元就に対して、明確な言を寄越す。それに対し、元就は僅かに目を見張るが、すぐに嘲りを含んだ笑みを浮かべた。
「……ならば、貴様にも都合が良かろう」
「何?」
「信じないのであれば、裏切られることもなかろうに」
そう、元就とて三成を信用しているわけではなかった。西軍の長であろうと、肌を重ねる相手だろうと、元就は初めから誰も信じない。
自己と他者は明確な線引きがあり、彼女の領域は決して誰とも重ならない。
今までもそう生きてきたし、これからもそれは不変であり続けると、元就は「信じて」疑わなかった。
しかし、三成は元就の言葉が気に入らなかったらしく、目を細めて彼女を睨んだ。
「矢張り、裏切る気か」
「阿呆か、貴様」
肌に触る静謐な空気に身をすくめ、元就は無意識に布団を手繰ると目を閉じた。
いい加減、不毛な問答にうんざりしてきたところだ。身体は休息を求めていることであるし、彼に背を向けた。
「貴様もいい加減横になれ」
「私の話は終っていない」
「……裏切るもなにも、我らの間には何もない。これで満足か」
自身と彼を指す言葉として、無以外の言葉を、元就も知らなかった。それは三成も同じだと理解していた。
「不満だ」
なのに、彼はそれを否定する。これには元就も不快な心持ちになり、閉じていた目を開くと厳しく彼を射抜いた。
「貴様……何が言いたい」
三成はおもむろに元就の首筋に指を這わせた。
「私は別に貴様に愛を囁きたいわけではない」
「奇遇だな。我も、ぞ」
「だが……貴様がひとりで死ぬのも、許さない」

「死ぬときは、同じだ」


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ナリ♀ナリ。 →お題配布元:ロメア様(http://romea.web.fc2.com/

孤独を厭う者と臨む者の話。

「我らは破滅のために生まれてきた」
男と女の話

「ただ、いっしょに死を迎えられるように」
中の人と外の人の話

「均等に揃えられた正しい世界で歪んだ私は彼らを嗤う」
賢い人と愚かな人の話

「たとえ神への冒涜だとしても」
生きる人と死ぬ人の話

「天使の羽を噛みちぎる」
不幸な人と幸福な人の話

ナリ♀ナリ。
元就青ルート大坂冬の陣。お市投入。

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― 均等に揃えられた正しい世界で歪んだ私は彼らを嗤う ―


「言いたいこととはそれだけか。……思ったよりも、短いようだな」
そう言って、元就が輪刀を振り下ろす。それで、大谷が絶命する。至極簡単なそれが元就の筋書きであった。
「……っ、なに!」
しかし、月光に鈍く光る刃先を、寸前で取り押さえられる。それと同時に背筋を這い登る嫌な感覚に、元就は身柄を拘束されたのを感じた。
「これは……貴様っ!」
この虫唾の走る感覚に、元就は覚えがあった。闇夜よりも尚暗い、底から這い登る魔手。
お市が虚ろな瞳で元就を締め上げていた。
「ほぅ。これは……第五天に救われるとは、思わなんだ」
この結果には大谷も意外性を隠しきれぬようで、黒い眼を僅かに見開く。その視線の先で、お市はただただ元就の細い首筋に闇の手を絡めていく。
「……貴様、この手を離せ」
「嫌……」
「汚らわし……ぐっ」
更なる圧が加わったのか、元就に苦悶の色が加わる。
「嫌、嫌……ひとりぼっちは嫌」
しかし、お市は元就の頬を魔手で撫でながら、謡うように続けるのみ。
「正反対だから惹かれるの」
「……っ」
「でも、貴女の光は寂しいのね。貴女だけを照らす光。貴女だけを照らして……貴女だけしか、見えなくなるの」
ふふふ、と静かに笑って、じわりじわりと元就の首を絡めていく。
「ひとりぼっちは嫌。闇色さんも、ね。市と一緒」
「ぐ……んっ」
「貴女は眩しいから。光で染めて、闇色さんを殺すの。……そんなの、嫌」
そうして、絡めた手に一気に力を入れる。
その刹那。
「やめろ」
凛と響く、三成の声を聞いた気がした。


→お題配布元:ロメア様(http://romea.web.fc2.com/

正直、清々すると感じていた。少しずつ煩わしくなっていく清正の言より開放された。そう思っているはずなのに、一方でどこか胸の奥が重く苦しい。
視界にあの眩しい銀髪が映らない。そんなことはよくあるはずなのに……と、そんな雑念に心乱されていた所為だろうか。
「っ!」
「うわっ!」
三成は曲がり角で出くわした人物と盛大にぶつかってしまった。
「いってぇなぁ……って、佐吉かよ」
三成を幼名で呼び合う者は限られている。撃った額を押さえながら、忌々しそうに顔を上げれば、予想通りの男が目の前にいた。
「市松。……貴様、どこに目がついているのだ」
口を開けば互いに悪態が出てくる。それは互いに培った習性であり、なかなか改善は出来ない。
「あぁン! 何か言ったか」
「どうやら馬鹿には聞こえぬらしいな」
「誰が馬鹿だ、馬鹿」
ひとしきり悪口を連ねてにらみ合う。だが、いつもはここで終いとなるはずだが、両者とも引くことが出来ない。
「……もう一人の馬鹿はどうした」
仲裁するものがいない。いつもなら、清正が仕方ないといった顔をして二人の間に入っていた。その不在を安堵すると共に、やはり気になってしまう。
「誰が馬鹿だって」
「煩い、馬鹿。……清正は一緒では無いのか?」
会いたいわけではなかった。それでも、いなければ気になってしまう。そんな三成の様子を何となく察したのか、正則は突っかかるわけでもなく、どこか寂しそうに呟いた。
「あぁ……清正はよぉ、今忙しいんだとよ」
「忙しい?」
確かに、今は農繁期である。清正とて暇ではないだろうが、正則の落胆ぶりが酷く三成の気に障った。
「どういうことだ?」
「今、清正は準備に追われてるんだと。叔父貴の勧めだし、あいつも断れないんだよ。今日も挨拶めぐりらしくて、俺すら顔を見てねぇし」
「? 意味がわからぬ。要領良く答えろ」
準備、勧め、挨拶……意味を成しえぬ言葉だけが連なっていく。だが、正則の言葉を聞けば聞くほど、心は何か嫌な核心を求めてしまう。
そう、これはまるで……。
「俺の祝言の準備だよ、馬鹿」
「っ!」
「清正!」
凛と通る声が、二人の間を駆けていく。三成の横に並んでいた正則は彼の声に喜色を浮かべて声の元へと振り向いたが、三成はとても同じ真似など出来なかった。
ただ、彼女の頭の中には今し方、告げられた言葉が頭を巡っている。
「清正! 今日はもういいのか」
「いいわけあるか、馬鹿。これら俺の着物を新調するんだと」
婚礼用のな、と、そう呟かれる言葉に、再度三成の肩が跳ねる。それを見て取ったのか、清正が態とらしく声をかけてきた。
「羨ましいだろう、三成」
そう伝える声は、侮蔑にも嘲笑にも似て、彼女の耳に強く響く。
「っ、貴様!」
思わずといった風に振り向いた、その先で清正は怖いくらい真剣な瞳で三成を射抜いた。

其れは遠く幼い思いだった。
「俺が守ってやる。だから……」
指切拳万。幼い手で―まだあの頃は自分のほうが大きい手をしていた―固く指を絡ませ、切った。
遠く幼い思い。未来など、ひとつも意識していない言葉。
それでも、其れは約束だった。


「だから、俺と……」
三成にとって、掛け替えのない、約束であった。

清正と喧嘩別れをして数日のことであった。依然、農繁期にあたる時分であったから、三成は変らず政務にかかりきりであった。唯、あれからというもの、彼と顔を合わせるのが癪で、三成は清正を避けていた。
幸か不幸か、この数日姿を見かけない。
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